美瑛町の哲学の木がなくなった。観光名所の消滅から考えるマナーと撮影方法

2016年2月24日、美瑛町の哲学の木が切り倒された。

木は寿命だったので、倒れる前に地主さんが切り倒したという話と、観光客のマナーが悪いので断腸の思いで切り倒したという話と、両方出ている。

このニュースを知ったとき、悲しみとやり場のない怒りがこみ上げてきた。

100万歩譲って、木が寿命だったので、事故が起こる前に地主さんが切り倒したなら、まだ話はわかる。(正しくは100歩譲ってだが、100万歩も譲らないと怒りが収まらない)。

ここ数年、観光客のマナーの悪さが指摘されていた。
畑に無断で入る、立ち入り禁止エリアにも踏み込む、農家さんの作業の邪魔をするなど、マナーの悪さが年々エスカレートしていった。

人気グループの嵐が出演したCMで使われた5本の木、通称「嵐の木」は、観光マナーの悪さゆえに、地主さんがわざと2本の木を植えて、景観を損ねている。

地主さんは景観を損ねたいのではない。
あまりにもマナー違反をする観光客、撮影者が多いため、断腸の思いで木を2本植えたのだ。

わたしは一昨年の秋、昨年の夏と、美瑛町に行った。
どの時間帯も、どこを見ても、素晴らしい風景が広がっていた。
四季彩の丘に向う途中、外国人観光客と農家の人が口論しているのを見た。
外国人観光客が畑の中に入って写真撮影しようとしていた。
それを見た農家の人が怒号を浴びせていた。
観光客はすぐに畑から出て、車で走り去った。

観光するなら最低限のマナーは守る

スマホで遠くのものが撮れるわけない。
遠くのものを写すなら、望遠レンズが必須。
畑の中に入れないなら、公道から撮影するしかない。

日本に来て爆買いする金があるんだろ。
だったら、一眼レフカメラと望遠レンズを買ったら。
風景撮るなら、5万円前後のエントリー機で十分だよ。
高速連写機能いらないよ。
APS-Cカメラも、画素数が約2000万画素ある。プロ機と互角でしょ。
しかも、APS-Cカメラの方が、フルサイズカメラより軽いよ。

荷物を増やしたくなければ、タムロン16-300mmのような、高倍率ズームレンズ1本買えばいい。
これ1本で標準レンズも望遠レンズも兼ねているから、なんでも撮影できる。
しかも、標準レンズと望遠レンズそれぞれを購入するより、安いでっせ。

コスメだのブランド品だの電化製品だのジャガポックルだのの大量買いじゃなくて、人に迷惑をかけない為の道具を買いなさい。

わたしが昨年美瑛町に撮影に行ったときは、SIGMA F2.8 17-50mmTAMRON F4/5.6 70-300mmの2本を持って行った。

この2本があれば、風景全体、花のクローズアップ、接近できない場所を全て撮影できる。

もちろん、畑の中には1歩も入らないで撮影した。当然だろう。
美瑛町全体で「畑に入るな」と警告している。

軽い気持ちで畑に入って外来菌を持ち込んだ為に、美瑛の風景が見られなくなる。
観光客にしてみれば畑は風景でしかないが、農家の人にとっては生活の糧をつくる場所だ。
畑を荒らしたり、立ち入りを禁じられている場所に立ち入って撮影する人に、写真撮影する資格はない。これはアマチュアもプロもだ。

美瑛町ではないけど、ファーム富田(中富良野)でも、中国人観光客がラベンダー畑に入って撮影しているのを見た。殺意が湧いたよ。

今、外国人観光客は、日本にお金を落としてくれるからありがたがられている。
だが、マナーを守れない観光客はいらない。来ないでほしい。

ここまで書いたが、怒りをぶちまけるだけじゃ解決にならないので、撮影方法を紹介。
美瑛町でも、どこの風景でも使える技です。

人物をカメラに近づけて、背景も人も大きく写す

ここでなぞなぞ。この写真はどうやって撮ったでしょう。
もちろん、畑や立ち入り禁止区域には入らずに撮影しています。

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ケンとメリーの木の前で、三蔵法師と玉龍を撮影。

わかったかな?正解は下の図。

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棒を背中に入れた三蔵法師と玉龍人形を持ってもらいます。
人形を持つ人に、ケンとメリーの木の前で、人形を持ち上げてもらいました。
わたしはしゃがんで撮影。人形と背景の木だけが写るように、レンズを上に向けて撮影しています。このときは17-50mmのレンズを使いました。

カメラのレンズは画角が決まっています。

画角とは、レンズが切り取れる範囲のこと。
焦点距離が短いレンズ(標準レンズ)ほど画角は広く、望遠レンズほど画角が狭いです。

これは人形の例ですが、人物ならこうやって撮影します。
人物も風景も大きく写せるし、一石二鳥。

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コツは、人物にカメラの近くまで来てもらうこと。
撮影者が被写体となる人物を見上げる形で撮影すれば、風景もばっちり撮れますよ。

卒業旅行や、卒業式、入学式でも使えるテクニックです。
スマホでも使えるワザなので、お試しあれ。

フルサイズかAPS-Cかで焦点距離が変わる?
レンズの焦点距離を知ろう

あなたの使っているカメラは、フルサイズですか?APS-Cですか?

レンズの焦点距離は、フルサイズとAPS-Cとでは変わります。

160224_fig3

例えば、17-50mmのレンズ。

フルサイズのカメラに装着すれば、焦点距離は17-50mmです。
レンズ本来の焦点距離です。

ところが、APS-Cカメラに装着すると、焦点距離が長くなります。
これは、センサーサイズのせい。

フルサイズのセンサーサイズは36mmx24mm。
昔のフイルムカメラ時代のセンサーサイズを踏襲しています。

APS-Cのセンサーサイズは、約23mmx15mmと、フルサイズより小さめ。
センサーに写せる範囲が小さい分、焦点距離が長くなってしまうのです。

Canonのカメラでは1.6倍の焦点距離、Nikonのカメラでは1.5倍の距離になります。
70-300mmの望遠レンズも、APS-Cなら、最大約500mmのレンズに早変わり。

500mmもあれば、どんなに遠くのものも大きく写せます。

詳細は以下の記事を読んでね。

カメラの基礎知識:https://doukei-photo.com/archives/1442

レンズの基礎知識:https://doukei-photo.com/archives/2353

レンズの特性と焦点距離を知れば、畑の中に入らずに撮影できます。

美瑛の観光名所が失くなったことを機会に、撮影マナーを見直してください。

※写真の無断使用を禁じます

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