動物を増やすよりも、すべての動物が生き生きと暮らせる動物園をつくるべき

今年の秋にオープンするはずだったアフリカゾーンの公開が、1年延期になった。

2016年の夏頃の一般公開予定とのこと。

すでに移動したダチョウとブチハイエナ、新規導入したミーアキャットとハダカデバネズミはこの秋に一般公開する。

新施設で、改修が必要な箇所が見つかったと報道されていた。

その部分がどこなのか、何なのかはわからない。その部分を直すために公開を延期した。

アフリカゾーンは、老朽化した熱帯動物館(1966年完成)に取って代わる施設だった。

17億円もかけて建てたのだから、今更「使えません」というわけにもいかないだろう。

国立競技場じゃあるまいし。

アフリカゾーンの周りを歩いて思ったことは、「旭山動物園に似ているな」ということだった。

キリンの目線と同じ高さで動物を見られたり、カバが泳ぐ姿を見られるというのは、旭山動物園のカバ・キリン館と同じである。

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8月中旬に撮影。熱帯動物館とは比べ物にならない広さ

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工事中の白いついたての間から撮影。
旭山動物園の展示場所に似ているなぁ・・・熱帯動物館よりも広そうだ。

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キリン・ダチョウ館。屋内からも見られます。

昨年10月に、20年ぶりに円山動物園に行った。

20年前(1994年頃)と全く変わらない場所もあったが、新しい施設がたくさんあることに驚いた。レッサーパンダ、アムールトラ、ユキヒョウ、シンリンオオカミは昔はいなかった動物だ。

レッサーパンダは旭山動物園と展示方法が似ている部分もあるが、旭山動物園よりも動物が生き生きしている印象を受けた。ユキヒョウやアムールトラは、円山動物園の方が活発である。しかも見やすい。来園の際は必ず足を運ぶスポットになった。

「北海道の動物園といえば旭山動物園」と言われるようになって久しいが、円山動物園が劣るとは思えない。

旭山には旭山の、円山には円山の良さがあるからだ。

トリップアドバイザーが、世界の動物園&水族館のランキングを発表した。

世界ランキングだと円山も旭山もランクインしないが、アジアの動物園だと両園ともランクインしている。

出典:旅行業界最新情報 トラベルビジョン (http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=62835)

表はこのページから引用した。

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Fig.1 世界の動物園&水族館トップ25

残念ながら、日本の動物園はランクインしていない。水族館が2箇所ランクインしている。

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Fig.2 アジアの動物園&水族館トップ25

7位に旭山動物園、23位に円山動物園がランクイン。

1位は、旭山動物園の展示方法のモデルとなった、シンガポール動物園がランクイン。

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Fig.3 日本の動物園&水族館トップ10

1位は旭山動物園。円山動物園は8位。トップ10入りするだけでも、大したものだと思う。

動物の数を増やすのではなく、すべての動物が生き生きと暮らせる動物園をつくるべき。

動物園においては、集客数は至上命題だ。

だが、観客を増やすために無理な繁殖計画を立てたり、動物の数だけを増やせば、今回のマレーグマ死亡のような悲劇を起こす。

今回死亡したマレーグマは、繁殖の能力はない、年老いた個体だった。

繁殖できない個体なら、わざわざ繁殖のステージにあげる必要はない。

若い個体と、年老いた個体とを離して展示して、それぞれの違いを見せても良い。

「なぜ、年老いた動物がいるの?邪魔なだけだ」などと言う観客はいない。

どの観客にも、「この動物が好き」という思い入れがある。

円山動物園は、規模は小さいけれど、じっくり見ると味わい深い動物園であるところが好きだ。20年前と比べて、動物の行動や習性を見せる工夫が随所になされている。

欠点は、動物の種類によって、居場所に格差があること。特に猿。
広い場所に居させてあげてほしい。

チンパンジーは複数の個体が、アスレチック風の遊具がある広場にいるが、思い思いに過ごしている。昼寝していたり、食事していたり、遊んでいたり、叫んだり、それぞれの個性が出ている。

フクロテナガザルは観客が来ると、雲梯で遊びながらワウワウ鳴いている。

独特の鳴き声を出すので、来園客の注目を集めている。

しかし、あまりにも展示場が狭いから、長時間足を止めて見る人が少ない。

隣の場所に出してあげればいいのに。

動物園にいる動物すべてに価値がある。

動物の子ども(赤ちゃん)だけが注目を浴びるが、他の動物だってそれぞれ魅力がある。

「数は少ないかもしれないけど、どの動物も生き生きとしていますよ」という動物園を目指すべきだ。

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