「ISO感度」という言葉を聞いたことはありますか?
ISO感度とは、カメラが一定の時間に感じ取れる光量を数値で表したもの。
この数値が高くなる(高感度にする)ほど、暗い場所でシャッタースピードを速くしたり、
レンズを絞り込んでも手ブレしにくいシャッタースピードが得られます。
「じゃあ、暗所では感度を上げて撮ればいいんだ」と思うかもしれません。
しかーし、そうはいかないのです。
1) ISOを上げると、ノイズも増える
Fig.1 ISO感度とノイズの関係。ISO感度を上げるとノイズも比例して増えます。
ISOが100〜1600の範囲ならばノイズを気にする必要はないです。
ところが、ISO3200からは少しずつノイズが発生します。
わたしが昔使用していた、Canon EOS kiss X5は、ISO3200でもかなりノイズが発生しました。
Fig.2 ISO3200で撮影したユキヒョウ。全体的に荒い写真。
(Canon EOS kiss X5で撮影。F5.7、1/60、EV: -2、ISO3200)
EV(露出)をマイナス2にして、ISO3200でも、ノイズが発生しています。
おまけに画面が暗い。
編集ソフトで明るくしても、ノイズが目立ってしまいました。
2) これで完璧!撮影時のISO設定
ここでは、ISO設定を紹介します。
これさえ読めば、撮影に集中できます。
ノイズに神経をとがらせる必要はなくなりますよ。
① ISOはオートでOK!上限を1600に設定すべし
ISOはオートでOKです。
というのも、その都度変えるのは面倒だし、設定し忘れてシャッターチャンスを逃すからです。
「ISO800なら上手く撮れたのに、ISO400に設定していたためにブレてしまった・・・」
なんてこと、なくしたいですよね。
ISOをオートにしておけば、状況に応じてカメラが適正値に設定します。
これなら、シャッターチャンスを逃しません!
ただし、上限を1600に設定しましょう。
ISOは1600までなら、鑑賞に堪えうる写真を撮れます。
カメラの設定画面から、「ISOの設定」を呼び出して、上限値と下限値を入力すればOK。
わたしは、下限値100、上限値1600としています。
この設定にしておくと、ISOをオートにしていても、カメラが1600を超えないで適切なISO感度を設定してくれますよ。
② ノイズリダクション機能を強めにかける
カメラの機種にもよりますが、高感度撮影によるノイズを軽減する機能があります。
もし、あなたのカメラにノイズリダクション機能があれば、それを強めにかけてください。
ニコンのカメラは、すべての一眼レフカメラにノイズリダクションが搭載されています。
一方、Canonのカメラは、EOS Dシリーズ以上(1Dx2、5D、6D、7D)でないと、ノイズリダクション機能がありません。エントリー機にも搭載してほしいなぁ。
ノイズリダクションを強めにかけているため、ISO6400にしても画像が荒れない。
(Canon EOS 7D mark2で撮影。F4.5, 1/30, EV:-3, ISO6400, 17mm, WB:マニュアル,
PS:風景)。
注意点は、ノイズリダクションをかけると、甘い画像になること。
ぱっと見はわからないのですが、拡大すると、画像が荒れていることがあります。
大きな紙に印刷する場合は、その点も考慮して、落とし所を決めましょう。
③ シャッタースピードを1/4秒に設定する
ノイズリダクション機能がない場合や、三脚がない場合は、シャッター優先モード(Sモード、Tvモード)でシャッタースピードを1/4以下に設定して撮りましょう。
その際に、露出をアンダー(マイナス側)にしておくと、若干ですが手ブレを起こしにくいです。
常に三脚を持っていければ良いのですが、ナイター動物園や花火大会では三脚使用禁止のところもあります。
そんなときは、被写体に光がたくさん当たっている場所を探して、撮影しましょう。
光の量が多ければ、ISO感度を上げずに済みます。
この方法は最終手段にしてください。
シャッタースピードが1/30秒より遅いと、手ぶれを起こしやすくなります。
手持ち撮影の場合、1/4秒は相当ぶれやすいです。
④ スマホは暗所撮影が苦手
スマホのカメラの弱点は暗所撮影です。
明るい場所の撮影ではコンデジと遜色なく撮影できますが、暗所になると途端にヘタレとなるのがスマホ。
理由は、スマホのカメラはISOだけが自動で変わる、単焦点カメラに過ぎないからです。
F値、シャッタースピードは、どの条件で何を撮影しても一定です。
iPhone4を使っていましたが、暗所で撮った写真は汚かったです。
小さなスマホの画面で見る分には鑑賞に堪えるのですが、パソコンで見るとぶれていたり、
ノイズが発生していました。
イルミネーションや夜景を撮影する人は、スマホよりもコンデジや一眼レフといったカメラの使用をオススメします。最近はミラーレスカメラという、小型のカメラもあります。
※ Canon EOS 7D mark2及びCanon EOS kiss X5に基づいて解説しています。
他の機種のカメラをお持ちの方は、各取扱説明書を合わせてご覧ください。
写真の無断使用を固く禁じます。
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