映画『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語』を観た。
昨年公開した映画のテレビ放送だ。
この映画を観て思ったことは、「キラーサボテン=原発」なんじゃないかということ。
(ここからネタバレ注意)
しんのすけの父・ひろしが、メキシコに転勤を命じられる。
メキシコに移住する野原一家。そこはサボテンにより発展を遂げた街。
サボテンの花の蜜により、さらなる発展を目論んでいた。
街でサボテンフェスティバルが開催された。
発展の象徴であるサボテンの花が咲くと、お祭りモードだった会場が一転、悲劇の場と化す。
そのサボテンはキラーサボテンという、人を次々に飲み込んでしまうサボテンだった。
残ったのは野原一家とご近所さん数人。
キラーサボテンから逃れる方法を模索するも、市長は「サボテンとの共存を図る」「街の発展にはサボテンは必要不可欠」と主張する。
そのため、サボテンから逃げる方法を実践するも、市長のせいでことごとく失敗に終わる。
残った人たちと協力して、サボテン退治する野原一家。
最初はサボテンを守ろうとしていた市長も、サボテン撃退に参加し、キラーサボテン退治に成功しましたとさ。でめたしでめたし。
市長が「キラーサボテンとの共存」を主張した際に反対したセリフが印象に残っている。
市長「サボテンがあるから街が発展した。だから、街の復興のためにはサボテンが必要なんだ」
しんのすけ「みんなって誰?街には誰もいないよ」
市長「サボテンがなければ、街は発展しない。サボテンは発展に必要なんだ」
スマホちゃん「あんたバカなの?人食いサボテンと共存できるわけないじゃない」
劇中にこのようなセリフがある。
最初は貧しい街で、仕事もなく、頑張ろうと誓った仲間も街を去っていった。
でも、サボテンが出来てから、街は発展した。
仕事もある、テーマパークもある、サボテンが街にもたらした恩恵は計り知れない。
サボテンを原発に置き換えてみる。
最初は貧しい街で、仕事もなく、頑張ろうと誓った仲間も街を去っていった。
でも、原発が出来てから、街は発展した。
雇用が生まれ、国からのお金でテーマパークも作れた。
街の経済が潤った。
決定的に違うところがある。
キラーサボテンは水をかけて死滅するが、原発は水をかけても死滅しないこと。
5年前の震災による津波で、福島第一原発の全電源が喪失した。
そのため、ベントという手段を使って、放射性物質の格納容器を守った。
ベントにより、放射性物質の一部が外部の空気中に漏れた。
それが原因で、漁師や農家など、収入を断たれた人たちがいる。
産地が被災地のものだとわかると、途端に売れなくなった。
中には命を絶つ人もいた。
「故郷に帰りたい」と言いながら、ずっと戻れない人もいる。
そんな原発と共存できるわけないんだよ。
原発こそ、キラーサボテンだ。
しんちゃんの映画は直接、「原発は悪だ」とは言っていません。
あくまでも私の感想です。
怖い描写もあるけど、何度でも泣けて笑える映画です。ぜひ見てね。
4/16から新作映画も公開するよ。
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